5月26日(木)、柏市で「せっけん行政訪問」活動を行いました。
これは、自分たちの身近な自治体に対して、
生活者の私たちが水環境をきれいにし
守っていく活動をしているということをアピールし、
多くの人の水環境への意識をより高めてもらえるように働きかけるものです。
生活クラブも加入している「協同組合石けん運動連絡会」が
20年来行ってきた活動ですが、今回は私たち生活クラブの
柏市内の支部リーダー3人と、NPO法人「せっけんの街」監事1名で訪問し、
柏市長の秋山浩保さんと30分間にわたってお話ししてきました。
まず、柏市近郊では戦後の大幅な人口増加に伴い生活雑排が増え、
手賀沼などの水環境を汚してきたという経緯を踏まえ、
たとえば、化学合成の洗剤よりも生分解性の高い
「せっけん」を多くの人が利用できるような環境を
さらに整えてほしい、というお願いをしました。
これは長年にわたって多くの市民団体が行政に訴えていることですが、
いまだ公共施設や学校などで化学合成洗剤が多量に使われている
という現実があることによるものです。市長のその場での回答は、
各部署の予算配分を考え、見合うものであれば実施する、ということでしたが、
私たちはこれから成長していく子どもたちのことを考え、より早い段階で
前向きな検討を、とお願いしました。
また、「せっけん」の話からは飛躍しますが、
今回の3.11の震災による原発事故の現況を踏まえ、
柏市ではどのくらいの放射能汚染が確認できるのかをより多くの地点で
きちんと測定して公表してほしい、というお願いもしました。
私たちの子どもは毎日学校へ通い、校庭で土や外気に触れる時間が長いことに
不安を感じている保護者の声が多いことも伝えました。
市としては、国や県、研究機関と協力して、できる限りのことはしていく、ということでした。
なお、現状では放射能(線)の影響はどの程度の量であきらかになるのかについて
明確な結論は出ておらず、ネットなどでもさまざまな意見や憶測が飛び交っている中で、
行政としてはどのような解釈をしていくかが問われている、という市長のお話もありました。
最後に、余談の中で、
震災後、市民の環境への意識は確実に高まっていて、これを期に、
みなさんたちが行ってきた「せっけん」を通して水環境を考えていくという活動が、
より多くの人に浸透していくのでは、という市長のお話がありました。
できることであれば大きな災害が起こる前に、未然に将来の子ども達のことを考えて
行動を起こすのが私たち大人の役目。ですが、こういう状況に置かれた今になってからでも
できること、しなければいけないことをひとつひとつみんなで考えていく。
そんなことをあらためて考えさせられた訪問となりました。
なお、7月は「シャボン玉月間」として、今回の訪問をもとに、市長が
協同組合石けん運動連絡会の機関紙にメッセージを寄稿していただけるよう依頼しました。
詳しくは2011年10月発行予定の機関紙「せっけん運動」をご覧ください。
(大津ヶ丘デポー支部 のりべん)