東葛ブロック

「ニューオークボ」の工場見学 柏北 大津ヶ丘デポー支部

  

6月10日 水曜日。天気は曇り。         

柏北支部で企画されていた、パスタの「ニューオークボ」の工場見学に参加しました。        

 

1.増尾工場の見学        

増尾工場は、周りに住宅があり、時折うぐいすの声が聞こえる静かな場所にありました。        

工場の見学の前に、ニューオークボ 営業部の篠原さんにパスタについてお話を伺いました。        

 

【パスタについて】        

パスタはデュラムセモリナという硬い種類の小麦粉を使って作られています。        

ニューオークボではカナダ産とアメリカ産(現在はカナダ産が主)の小麦を使っています。        

100%輸入です。デュラムセモリナ小麦100%使ったものがパスタと呼べるそうです。        

【製粉について】        

市販のものは小麦の胚乳全体の90%を使っています。つまり小麦のほとんどを使っている        

と言えます。これだと外皮がまざることがあり、風味など劣るものもあるそうです。        

市販のスパゲティをよく見ると、表面に黒いつぶつぶが見えます。そのスパゲティの袋には          

「細かい斑点はデュラムセモリナに由来するものです」と書かれていました。          

きっとこれが外皮などなのでしょう。          

それに対して、ニューオークボでは胚乳の中心60?70%のみ使用しているので、          

風味・うまみのあるパスタができるのです。          

【食塩について】          

他のメーカーのパスタには食塩は入っていませんが、ニューオークボのパスタには塩が          

入っています。この塩は(株)青い海の真塩です。          

ニューオークボのパスタは食塩を加え、粉をねってグルテンを出してから作るので、          

あのもちもち感が出るのです。また、ねることでパスタに空気が入るので水分や          

味がしみこみやすく、表面がざらざらしているので、ソースがからみやすいのです。          

パスタをゆでる時にお湯に食塩を入れる、というのが「常識」になっています。          

ところが、ニューオークボのパスタの袋には「塩を入れてゆでる」とは書かれていません。          

もし入れるなら少量でいいそうです。入れる必要もないし麺にもともと入っているからです。          

塩をたくさん入れてしまうと麺の中に塩分がしみこんでしょっぱくなってしまいます。 

 

 

【製法について】          

できあがった生地を「ダイス」というものから押し出して麺にします。           

ダイスは、直径20cmくらいの丸い板状で穴がたくさん

あいています。真ちゅう製で、持ってみるとずっしり

重たいものでした。ダイスの穴から押し出す際、

かなりのまさつ熱がかかります。

大量生産の市販のものは、90℃くらい、

ニューオークボのパスタは40℃くらいだそうです。         

小麦粉に熱を加えると黄色くなるので、市販のパスタは

黄色く、ニューオークボのパスタはうすい黄色をしているのです。         

また麺を乾燥する温度は大量生産のものだと90℃にもなります。ニューオークボでは30℃         

で72?100時間ほど時間をかけて乾燥させます。            

 

お部屋での説明が終了し、こんどはいよいよ工場の見学です。         

こちらでは乾麺を作っていました。         

生地を手で機械に入れると「ダイス」を通ってうすい黄色の細い麺が出てきました。           

それを、手作業で切っていきます。

書くととても簡単なようですが、やわらかい麺を刀のような

包丁でスパッと、しかも目視で同じくらいの長さに切るのは

かなりの技術がいります。まさに職人芸!         

棒にかけられたやわらかい麺は、

まるで「黄色いのれん」のような感じです。         

麺がかかった棒はかなりの重さとのこと。

それを人が持ち上げて運びます。         

今度はその麺を乾燥室に入れます。乾燥室には4日間近く

入れておくそうです。袋詰めも人の手で行われています。         

人の手でていねいにていねいに作られていると感じました。            

 

2.高柳工場の見学         

増尾工場から車で20分くらい走ったでしょうか?今度は高柳工場の見学です。         

時折、近くにある自衛隊の航空基地から飛行機が大きな音をたてて飛んでいきます。         

こちらの工場では生パスタを作っていました。         

 

工場の中は、増尾工場とは異なり作業が機械化されていて、人はほとんど見えません。         

増尾工場で働いている人は「職人」、高柳工場の人は「オペレーター」という感じです。         

生パスタは温度と湿度が大切なので、部屋は15℃に、冷蔵庫の中は3℃に保たれ         

ています。         

生パスタ専用工場というのは、他にはないかもしれないとのことでした。         

 

3.試食        

見学が終わり、乾麺や生パスタ、冷製用生パスタを使った4種類のメニューを試食しました。        

冷製用生パスタは水でしめるので若干固くなるので少し長めにゆでるのがコツ。        

トマトソースのスパゲティを作るときは、生のトマト、トマト缶、トマトピューレなど複数の種類        

のトマトを使うと複雑な味になってよい、などお話してくださるコツもとても勉強になりました。        

どれもおいしく、それぞれ使われているパスタの違い・よさがわかるメニューでした。        

4.感想        

お話をお聞きし、ニューオークボのパスタのこだわりを知り、工場で働いている方たちの様子        

を見ると、どんどん利用したいと思いました。        

こんなすばらしいパスタを作っている工場が、自分の住んでいる千葉県にあることを知り、と        

ても親近感がわくと同時に誇りに思えました。        

最後になりますが、ニューオークボの篠原さん、一緒に見学させていただいた柏北支部の方        

には大変お世話になりました。ありがとうございました。

(大津ヶ丘デポー支部 ハッピーブランチ)