生活クラブ岩手からの転載です。
高橋徳治商店 遂にやり終えたヘドロ出し作業!!
高橋徳治商店の工場のヘドロ出し作業は、5月25日で終了しました。2ヶ月間、本当にお疲れ様でした。
気温の上昇と共に臭いががきつくなったことから、一気に片付けてしまおうという事で総勢19名の作業部隊を編成しました。その中には、一関の若手組合員の参加もあり頼もしい限りでした。
最後の作業となったのは、製品貯蔵庫に通じる3箇所とダンボール箱を保管している1箇所です。貯蔵庫付近は、発泡スチロールや溶けてどろどろになった練り製品が大量にヘドロに埋っています。既に練り製品は饐えた臭いがし虫が湧いているので、思わず顔をそむけたくなります。ダンボール箱は水に浸りヘドロを被っているのでずっしり重く、そして丁寧に扱わないとバラバラに崩れてしまいます。そんな過酷な作業も19名がテキパキと動き、3時間程度で終えてしまいました。これで、広い工場のヘドロ出し作業は全て終わりました。遣り終えました!
工場に辿り着くまでの道のりは、津波の恐ろしさを見せつけられました。張り切って行ったのに、工場内に入ったとき目がヒリヒリして戸惑ってしまいました。倉庫の中は、悪臭が充満していました。最初に段ボールの撤去をしましたが、水とタールを含んでいて、思うように運び出せず苦戦しました。次は、倉庫内のヘドロ出しと商品の廃棄です。津波さえなければ美味しく消費されたであろう、さつま揚げ魚のすり身を見て、悔しさでいっぱいになりました。社長や従業員のことを思うと、本当になんとかしたい気持ちです。また、出来ることがあれば何でもします。おとうふ揚げと玉ねぎ揚げの復活を楽しみに待っています。 <初めて参加した一関の松原亜貴子さん>
ヘドロ出し作業は、3月に支援派遣の神奈川・古島職員の一言から始まりました。高橋徳治商店の社員がヘドロ出しの作業に取り掛かったことを聞き、高橋社長に「一緒にやります。」と申し入れました。
しかし、社長は「こんな過酷な作業はさせられない。」と断ってきました。それでも粘り強く交渉し、高橋社長の了解をとった経緯があります。
工場内は支援派遣の職員を中心に、組合員はその周辺の補助作業を行いました。経験したことのない作業、臭いに当初は戸惑いましたが、今はカッパ姿も板につき一人前の作業ができるようになりました。
この2ヶ月、石巻の作業、そして水沢での機械洗浄に多くの組合員の参加がありました。延べ人数にすると300人に及ぶのではないかと思います。「ヘドロ出し作業は、生活クラブがやります。」この高橋社長との約束を果たしました。「小さな力だけど、それを合わせれば何でも出きる。」・・・そんな当たり前のことを実感しています。
あとは、工場にある大型の機械に詰まったヘドロを洗い出し、その後に床を水で洗い流します。その作業は、少し塩分を含んだ北上川の水を使います。断水が解消される見通しなどありません。だからヘドロ除去には川の水を使い、最後は上水で仕上げます。まだまだこれからも続きますが、油を含んだ大量に蓄積されたヘドロとの戦いは終わりました。
支援に来てくれた他の単協の職員の皆さん、そして岩手の組合員の皆さん。やっと終わりました。本当にお疲れ様でした。感謝します。
理事長 熊谷由紀子
(写真は4月初旬の支援活動時のものを千葉で付け足しました)