下総ブロック

きばるの甘夏 生産者交流会 報告

  

きばるの甘夏 生産者交流会(2013.1.15 in志津コミュニティセンター)

 

「きばる」は「がんばる!」

 

20130115_kibaru_2.jpgきばるの甘夏生産者交流会の前日、関東は大雪に見舞われました。飛行機が相次いで欠航する中、「生産者グループきばる」の高橋昇さんは、熊本県水俣市から長い時間かけて新幹線や電車を乗り継いで佐倉までお越しくださいました。

 

車での来場が多い会場なので「残念ですが‥」とやむなく欠席する方もいらっしゃいましたが、生産者に「一目会いたい!」「お話を聞きたい!」と、19名の組合員が、雪が多く残っていた会場に集まりました。

 

当日は、1時間遅らせて交流会を開催。まずは、自慢の甘夏についてご説明いただきました。

 

みなさんご存知の通り、きばるの甘夏は 水俣病の発生で漁業ができなくなった方達や水俣病の患者、そしてその家族が、陸に活路を求め、甘夏栽培に転換したのが始まりです。初めは、きれいな甘夏を作るために20回以上の農薬散布をして栽培していましたが、10年過ぎると有機水銀で元々不調な身体を農薬散布が更に悪化させてしまいます。

 

20130115_kibaru_1.jpg高橋さん達は「水俣病被害者が加害者にならない」栽培を目指し、1975年から減農薬の甘夏を買ってくれる先を探し始め・・・そして生活クラブと出会いました。現在農薬散布の回数は最大5回まで。しかし高橋さんは様々な工夫を続けて、昨年は農薬散布1回、今年は0回と減農薬に果敢にチャレンジされています。

 

手間と時間をかけて低農薬の甘夏を作っても、買ってくれる人がいなかったら成り立ちません。そんな言葉には、考えさせられました。

 

お話の後はお楽しみ・甘夏を使った美味しい料理が振舞われました。ヘタ落ち防止剤やワックスなどが使われていないので、皮まで安心していただけます。この部分が、市販品と第一に違う点です。

 

メニューは
・甘夏寿司  (甘夏果汁が寿司酢代わり!さっぱりとした美味しさ)
・甘夏と鶏肉のサラダ (栄養もボリュームもたっぷり!彩りが綺麗)
・甘夏ムース (さっぱりとした甘さでたっぷり食べたくなるスイーツ)
・マーマレード (皮も実もおいしさが詰まった逸品)

 

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そして食後は、ブロックでつくったお手製「虹の街かるた」で大盛り上がり!
楽しい交流会でした。

 

現在は甘夏のほかに糖度の高いデコポンも生産されており、スイートスプリング(はっさくと温州みかんの掛け合わせ)・グレープフルーツの栽培も取り組み始めたとのこと。市販の柑橘類は綺麗な外観を作るために、栽培時はもちろん収穫後も当然のように多くの農薬を使っています。皮まで安心して食べられる「きばる」の甘夏、その他柑橘類、ライブリーに載る日が待ち遠しいです。

 


水俣病のこと・・・

 

そして…
水俣病については話すと長時間になるということで、高橋さんはほんの少しだけお話になりました。

 

水俣病は名乗り出なければ国も行政も対応してくれない状況。水俣病患者は、初期のころ、原因がわからなかったので伝染病のように扱われたため、偏見・差別が根強いので中々名乗れず、病状を隠さざる終えない人が多い。

 

被害実態の全容が今も把握できていないのが現実です。一昔前、「水俣」と名のつく品は水俣病と重なって風評被害があり売れなかった。周りが「水俣」の文字を隠す中、堂々と「水俣の甘夏」といって売ったのはウチが初めて。
…とのことでした。

 

水俣はリアス式海岸の自然いっぱい・温泉いっぱいの美しい土地。現在も続く水俣病問題のことを忘れず、そして減農薬に挑戦し続ける「きばる」の生産者の方々を応援するべく、大事に甘夏を食していきたいと思いました。

 

佐倉西支部消費委員長 河添玲子