2月9日(木)志津公民館で「なたね油」でお馴染みの米澤製油㈱東京出張所
安田大三さんと息子さんのひとしさんを迎えて、生産者交流会を開催しました。当日は組合員21名、組合員でない方1名を含めた計22人が参加しました。
生活クラブの「なたね油」は以前から良いと聞いていたのですが、市販品とどう違うのか直接話が聞ける機会がなかったので、今回は話が聞けると決まりすごく楽しみにしていました。
現在、生活クラブの「なたね油」は「国産100%」と「国産ブレンド」の2種類がありますが、どちらも全てNON-GM(非遺伝子組み換え)のなたねを原料にしています。ブレンドの場合は西オーストラリア産95%と国産(キザキノナタネ)5%の割合になっているそうです。
その製造工程は、わが国で初めての「湯洗い精製法」です。「湯洗い精製法」とは、一切の化学物質や食品添加物を使用せずに精製する方法で、機械で圧搾しその一番絞り原油を6~12回、排水がきれいな水に変わるまで6台の遠心分離機に1つずつ移動させながらお湯で洗う方法です。この「湯洗い洗浄」という精製法は、米澤製油自慢の特許技術だそうです。
当日は、車のジャッキを簡易圧搾機に改造された機械を使って、焙煎したなたね種子の圧搾を見せていただきました。その出てきた油は黄色く、試食してみると「香ばしい木の実」の味がして皆、口々に「美味しいね!」と歓声の声が上がりました。
この「湯洗い精製法」に対して市販の油は、製造工程で、二番絞りの時に「ベンジン」に似た「ノルマルヘキサン」という有機溶剤を1番絞りが終わったなたねにふきつけて99.9%まで油を溶かしだすそうです。「ノルマルヘキサン」は沸点が低い(常温でも蒸発する)ので、抽出(溶かしだして油を取り出すこと)した後、加熱してノルマルヘキサンだけを蒸発させ、取り除けますが、「ノルマルヘキサン」という物質は脳の神経に影響を及ぼすと言われているので、そのような物質にいったん溶かした油を食べていると思うと怖いです。
また、油に含まれるレシチン(泡立ちの原因)を除くためには、「カビ取り剤」にも使われる「リン酸水」を使用し、油を透明にする為には「活性白土」という添加物をも使用して商品にするとのことでした。
業務用油に関しては、揚げ物をする際に油が撥ねるのを抑える油膜ができるように「シリコン」を添加しているそうです。聞けば聞くほど市販の油の怖さを感じました。外食で揚げ物を口にする際にも素性が確かな事が改めて大切だと考えさせられました。
現在、国内のナタネ自給率は0.04%と低く、追い打ちをかけるように21年度でなたねの作付け交付金は廃止されたので、生産者はせっかく作っても高く売れないいため、負担も大きく生産の維持も困難になってきています。
今から40年以上前に起きた「カネミ油症事件」をきっかけに「作っている私達も食べている。自分達が食べたい油を作りたい」という被害者にも加害者にもなりたくないという「対等互恵」の意味を米沢製油は大切にし、志として持っているとのことでした。それを支持し、支えていく為にも、私達組合員のより多くの利用を進めていきたいと思いました。たくさんの利用が生産者や材を守るのだと思います。
お話を伺った後は皆でなたね油を使った料理をいただき、賑やかなひとときを過ごしました。最後に油の劣化を知る目安を安田さんから伺いました。
(1) 消えにくい細かい泡(カニ泡)が鍋の表面半分以上を覆うとき。
(2) 緑の野菜を揚げた時、衣が黄色くなったとき。
(3) 油がドロッと粘りが強くなるとき。
みなさん、(1)~(3)を参考に、劣化した油は廃食油としてリサイクルに出しましょう。
そして、劣化していない油でおいしいお料理を作りましょう。そして、「カネミ油症事件」についても知らない方は調べてみましょう。
佐倉西支部 消費委員 廣澤典子