活動紹介

2012年6月 7日の記事

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21都道府県に32ある生活クラブ。現在、約35万人の組合員がいます。この組合員一人ひとりが持っている「利用する力」を結集していこうと200人以上の組合員と生産者が集い、5月14日に東京でスタート集会を開催しました。(2012年6月5日掲載)

 

直接会って話し合おう

  組合員が毎日の生活の中で生活クラブの消費材を利用していくことは、食に関わる社会的な問題を解決する大きな力となります。たとえば国内の自給力を向上させるために米農家に飼料用米の栽培を呼びかけ、畜産生産者には豚や鶏にその米を給餌してもらい、組合員はできたお肉や卵を食べる約束をします。このような取組みはいまや「こめ育ち」と呼ばれ、社会に広がってきました。これが利用結集の力です。

  この力をもっと強くしていくことをめざしてこの秋、各都道府県の生活クラブが生産者と力を合わせて一斉に「35万人の消費材アクション―みんなでいただきます―」を展開します。

  そのスタート集会が5月14日に東京で開催され、全国から組合員と生産者200人以上が参加しました。

 

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  集会では荻原妙子実行委員長(生活クラブ神奈川理事長)が「日本の農林水産業を壊滅させる恐れのあるTPP交渉、放射能の脅威が明らかになったのに原発を継続しようとする政策がすすめられています。食の安全をおざなりにする動きに対し、共同購入運動の真価を発揮する時です。子どもたちの世代へ食をつなげていくために、人々の共感を集め利用を高めていきましょう」と挨拶しました。

 

  加藤好一生活クラブ連合会会長は「共同購入運動の課題と未来」をテーマに問題提起。

  今回の活動のポイントは(1)35万人の組合員があらためて“仲間”になること、(2)組合員に直接会って話し合うこと、(3)生産者と連携して集中して実施することが重要と指摘しました。

  続いて3つの単協が活動計画を発表。

 

長野:「長野は約1600班が班会議を開いて加入のきっかけやお気に入りの消費材などを話し合い、共同購入の価値を確認し合う機会にしたいと思います。そして、班員がもうひとりに呼びかけ、拡大や利用促進のアクションを起こします」(小林テル子長野副理事長)。

 

 

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北東京:「若い人や加入3年目までの組合員は利用が比較的低い傾向があります。この世代の人たちに消費材がもつ“メッセージ”をしっかり届けるのがポイントだと思います。まちの試食会などへの参加呼びかけなど、会って話す活動をしていきます」(松浦佐智子北東京理事)

 

 

横浜みなみ:「組合員にとって自分の参加が何につながるのか、一番わかりやすいのが利用を集める活動だと思います。利用はだれもが主人公になれるテーマで、横浜みなみでは『消費材カフェ』という地域で身近に集まる場づくりを9月に数多く開催していきます」(猪狩裕子横浜みなみ理事長)

 

生活クラブでは組合員と生産者の車の両輪

 

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提携生産者からは次のような発表がありました。

 

「消費材は組合員のみなさんと私たち生産者がつくりあげた“宝”です。でも、利用しなければ意味がありません。ぜひ組合員どうしで消費材について語り合い、食べ続けることが生産の継続につながることを考えてほしい。それこそが未来の子どもたちへの“食のプレゼント”になるのではないでしょうか」(牛肉の生産者の北海道チクレン農業協同組合連合会・伊藤重敏さん)

 

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  餃子の生産者の美勢商事(株)の小林吉雄さんは「2008年に起こった中国産餃子事件を思い出してください。生命を育むはずの食べものに、何が入っているのか実は分からずたいへんな食不安を起こした出来事でした。一方、生活クラブの餃子は組合員のみなさんが原材料の一つひとつを決めました。このように消費材は組合員と私たち生産者が車の両輪のようにつくっているのです。そのことを35万人で語り合いましょう」と呼びかけました。

 

  集会では続いて「消費材アクションの成功に必要なこと」と題したパネルディスカッションを開催。

  パネラーとなった生活クラブ東京の吉田由美子理事長は「秋だけの活動と捉えるのではなく、今年度の活動すべてを消費材アクションにつなげていくように考えることが大事」と述べました。またトマトケチャップの生産者である(株)コーミの牧戸正博さんは「成功に必要なのは“成功”すること! 私たち生産者も今回の消費材アクションが成功するために何ができるかを考えます。組合員と交流会で会う130の生産者と組合員が同じ方を向いて活動することが大事です」と強調しました。

 

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  パネルディスカッションは若い世代をふくめ直接会って話を聞き、利用結集の意味を伝えていくことを会場全体で確認して終了しました。

 

  最後に舞台には生産者と生活クラブを代表する組合員60人以上が登壇。一人ひとりがメッセージボートを手にアクションへの決意を発表しました。

(生活クラブ連合会 生活クラブ活動情報2012年06月05日より)

 

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おとうふ揚げなどの生産者の(株)高橋徳治商店(宮城県石巻市)。昨年の東日本大震災で本社工場、第2工場ともほぼ全壊という甚大な被害に遭いました。

 

あれから1年余。高橋徳治商店は隣町の東松島市の高台に東松島工場を建設することを決め、5月28日に地鎮祭を行いました。復興に向けた大きな一歩を踏み出したのです。

 

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高橋英雄社長は「いまの気持ちは『感慨深い』などの言葉ではうまく言い表せません。昨年の今頃は長ぐつを履いて、津波によって工場に入り込んだヘドロ出し作業に明け暮れていました。その頃は今日の日を迎えられるなどとても考えられず、長く濃密な1年でした」と振り返り、次のように続けます。

 

 

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「私どもは操業108年を迎えます。新たな100年をこの地域を中心に歩んでいきたいと思います」

 

東松島工場の用地は1万7500平方メートル。石巻の本社工場の約1.5倍の広さです。

工場には太陽光発電や熱電供給するコージェネレーションシステムを導入する予定で、大震災で露わになった原発問題に対し「環境や生命を脅かすような電気を使わない実践をする」と高橋社長は語ります。

東松島工場はこれから11月完成をめざして工事が始まります。おでん種セットなど、高橋徳治商店がつくる消費材すべての再開が期待されます。

 

現在扱っている高橋徳治商店の消費材

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写真左から「おとうふ揚げ」「つまみ揚(野菜)」「海老しんじょ(すり身)」「ささがきごぼうさつま揚げ」「さつま揚」「お好みさつま揚げ」

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「重茂(おもえ)に船を送ろう! 消費材の放射能検査をすすめよう!」を合言葉に、生活クラブは東日本大震災第2次カンパに取り組みました。寄せられたカンパ金、2億3,279万円を活用して、さまざまな支援活動を行なっていますが、被災した生産者への支援のひとつとして、岩手県の重茂漁業協同組合へ漁船購入の資金5,000万円を贈りました。5月17日、生活クラブからのカンパで建造された最初の船、「第二与奈丸」が重茂に到着しました。(2012年6月1日掲載、撮影:田嶋雅己)

 

カンパで3隻を造船、最初の船が重茂に

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岩手県宮古市の宮古港。その一角にある旧宮古市場の岸壁から、5月17日午後1時に真新しい1隻の漁船が出港しました。この船が「第二与奈丸」19トン。大船渡市で造船され、4月26日に進水式を終えたばかりの重茂漁業協同組合(宮古市)の定置網船です。進水式の様子は下の動画をご覧ください。

 東日本大震災の大津波で深刻な被害を受けた重茂漁協は、保有していた船外機付小型漁船(和船)814隻のうち800隻を失い、20隻あった定置網船も10隻に減ってしまいました。「肉厚わかめ」などの共同購入を通して重茂漁協と提携関係にある生活クラブでは、昨年9月から12月にかけて実施した第2次東日本大震災カンパ活動で「重茂に船を送ろう」と呼びかけ、集まったカンパ金から5000万円を重茂漁協に船の購入資金として贈呈しました。

この費用で建造された最初の定置網船が第二与奈丸です。約1億5000万円という総工費のうち漁協の負担は9分の1で、残りは国と県の復興助成金でまかなえることもあり、重茂漁協ではカンパ金を資金としてさらに2隻の定置網船を発注しました。うち1隻が今年9月、もう1隻も来年3月に完成する予定です。

  被災地の漁協と提携関係にある生協の組合員が漁船を贈呈するという今回の試みについて、岩手県農林水産部水産振興課の担当者は「稀有なことであり、実にありがたいことです。国連の定めた国際協同組合年にふさわしい協同組合間協同の貴重な実践例といえるのではないですか」と話します。

 

船はこれからも共に歩むメッセージ

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5月17日の午後1時に宮古港を出発した第二与奈丸には、震災直後から重茂漁協を支援してきた生活クラブ岩手の組合員や生活クラブ連合会の役職員らが乗船。海上から重茂半島の黒崎神社を拝礼し、今後の航海の無事と大漁を祈願しました。その後、第二与奈丸は別の定置網船「第二根滝丸」に先導され、定置網の設置された3つの漁場を回りながら、廻航(かいこう)式の会場となる重茂港に向かいました。大漁旗をたなびかせた先輩格の定置網船が新造船を目的地まで先導する習慣が重茂にはあります。

 

  午後2時過ぎから開かれた式典には第二与奈丸への乗船者を含めて、約60人の生活クラブ関係者が参加。主催者を代表して重茂漁協の伊藤隆一組合長は「津波で流された定置網船のうち10隻を何とか回収し修理して使っていますが、まだまだ船は足りません。そこに生活クラブからご支援を賜り、3隻の定置網船を新造することができました。まさに重茂再生への希望の船です」と挨拶しました。

 

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また、来賓として参加した生活クラブ連合会の加藤好一会長は祝辞で「多くの組合員の願いを形にして残したいと考え、カンパ金で船を購入してほしいと無理を申し上げました。それを実現していただいたことに心から感謝申し上げるとともに、今後は定置網で漁獲された水産物の共同購入も視野に入れて提携関係を強化していきたいと思っています」と述べました。

 

 

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東日本大震災の発生から14ヵ月、いまも大津波の爪あとが生々しく残る被災地では、多くの苦難を乗り越えようとする人びとが地道な歩みを続けています。生活クラブの組合員が重茂漁協に贈呈した3隻の定置網船は、被災地の人びとへのエールであり、これからも「ともに歩みたい」という力強いメッセージでもあります。

(生活クラブ連合会 生活クラブ活動情報2012年06月01日より)