活動紹介

牛肉の豆知識

 

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生活クラブの牛肉は、粗飼料(牧草など)を多く食べさせて育てた味のある赤身肉です。
赤身肉は脂肪が少なく、ビタミンやミネラルが豊富で、さらに余分な脂肪を分解してエネルギーに変えるカルニチンを多く含んでいると、いま注目されています。
連合会HPより転記)
 
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国内で本格的に牛肉が食べられ始めたのは明治の文明開化以降で、横浜に外国公館向けのと畜場が開設され、近江牛が最初に利用されたといわれています。当時はスライスした牛肉を煮て食べる牛鍋屋(すき焼き)が流行して、一般庶民に広まったといわれています。
それ以前は645年に牛馬をいけにえにしたという例や、675年に天武天皇が肉食禁止令を出し、稚魚の保護と五畜(ウシ・ウマ・イヌ・ニホンザル・ニワトリ)の肉食を禁止したという記載が日本書紀にあります。
戦国時代にはキリスト教イエズス会の宣教師やキリシタン大名が「ワカ(ポルトガル語Vaca)」として牛肉を食したとされ、また豊臣秀吉が小田原攻めの時に高山右近や蒲生氏郷、細川忠興とともに牛肉を食べたされています。
一方、ヨーロッパでも庶民が本格的に牛肉を食べ始めたのは、冷蔵技術が発達した19世紀後半からで、歴史はそう古くないといわれています。この頃からアルゼンチンやアメリカ西部の大草原で飼育された牛肉が、冷蔵船でヨーロッパに大量に運ばれるようになりました。
 
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現在のイギリスの女王はエリザベス2世。エリザベス1世は1558年から1603年までイングランドの女王を務めました。そして70歳で世を去った後、スコットランドからジェームズ1世(在位1603年~25年)が迎えられました。このジェームズ1世は、自らを「イングランドの父」と称して独裁政治を行い、ピューリタンを弾圧したことで有名です。
その一方、ジェームズ1世たいへんな牛肉好きでした。ある宴席で適度な脂肪が混じった牛肉に感じ入り、その部位に貴族の称号のサー(sir)を与えました。それ以来、「サーロイン」という呼び名が生まれ、ロインは最高の部位とされたフィレ(テンダーロイン)と並ぶ部位になったといわれています。
 
 
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"霜ふり肉"は、栄養価の高い濃厚飼料を牛に多く食べさせて筋肉に脂を細かく入れた(サシ)もの。生活クラブは、草食動物である牛の生理にあわせて粗飼料(牧草・サイレージ)を多く食べさせて、育てた味のある赤身肉を取り組んでいます。
赤身肉は脂肪が少なく、たんぱく質のほか、ビタミンBや鉄分(吸収のよいヘム鉄)など、ビタミンやミネラルのよい供給源です。さらに余分な脂肪を分解してエネルギーに変えるカルニチンを多く含んでいると注目されています。
 
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北海道チクレン農業協同組合連合会(以下、チクレン)には、牛を健康に育てる肥育プログラムがあります。免疫力のある子牛にするために初乳を十分与え、丈夫な消化器官をつくるために粗飼料(牧草)を十分に食べさせます。牛の成長を早めるための成長ホルモン剤は使いませんし、病気以外での抗生物質の使用もありません。配合飼料のトウモロコシなどはポストハーベストフリーで、遺伝子組み換えをしていないものを指定しています。さらに清潔な牛舎でのんびりと育つ環境を整え、"健康な牛づくり"に取り組んでいます。現在、北海道内の18の指定農場から出荷されております。
またチクレンでは、指定農場で肥育した牛のと畜・解体、製品加工も自前の処理工場で行っています。ですから、一般生産農家の牛肉が混入することはありません。一貫した管理体制で、安全で安心して食べられる"産直牛肉"を生活クラブの組合員に届けることができます。肥育農家から組合員まで一直線の食肉流通は、日本では画期的な仕組みといっても過言ではありません。もちろん、と畜後のBSE全頭検査や一般細菌の検査、放射能の自主検査もしっかり行っています。
 
 
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牛も人と同じように子どもを産まなければお乳が出ません。牛乳をしぼるために子牛を産ませますが、生まれたのが雌の場合は乳牛として、雄の場合は去勢して肉用牛として育てます。生活クラブの牛乳工場がある栃木県では、原乳生産者の箒根(ほうきね)酪農協で生まれた雄子牛を同じエリアの栃木県開拓農協で育てて出荷しています。牛乳の利用と肉用牛の生産は密接に結びついているのです。