活動紹介

生活クラブのこの1年 おおぜいの力でやってきたこと

 

生活クラブのこの1年 おおぜいの力で実現したことをご報告いたします。

 

1202tunagaru1.jpg

 

~東日本大震災から1年、そして明日へ~

 

東日本大震災と福島原子力発電所の事故から1年が経過しました。

東北地域の復興や放射能汚染への対策が進められていますが、この大きな社会の危機と同時代に生きる私たちは何をすべきなのでしょうか。

 

被災地の人たちを助けたい、子どもたちに安全な食物を食べさせたい、生産者を守りたい、危険な原発は早く止めたい・・・・たくさんの願望が日本から世界へも広がって、支援の輪がつながり、強まっています。放射能の測定についても行政に任せるのではなく、自分たちで測り、情報を共有しネットワークを広げているお母さんたちもいます。
大きなリスクを隠しながらの経済成長一辺倒の中で、無関心という無責任社会が、人類とは共存できない原発を54基もつくってしまいました。このままでは人間が自分でつくったもので滅びてしまいます。それでもまだ原発は必要だと唱える人は社会に大勢いますが、全てのことを、みんなが同じに持っている「いのち」の方から見ていく社会に変えていくことが必要ではないでしょうか。

 

人と人が、全ての人が幸せに生きるための経済をはじめるしかないと思います。持続可能な食の安全と自給、環境に負荷をかけずに生活をするなど、生活クラブはさまざまな対案を示し活動をしてきています。そして、生活クラブはもうひとつの代替案として、4月から市民風車を稼動させ、再生可能エネルギーへの転換を目標に動き出します。「子どものいのちを守る」ことを、ここからはじめたいと思います。たくさんの人とつながりながら・・・。

生活クラブ虹の街 理事長 新保ちい子

 

 

~おおぜいの力で実現したこと、これからもやっていきたいこと~

 

●生活クラブ連合会 東日本大震災復興支援カンパ

全国の生活クラブグループ全体で取り組みました。

・第1次緊急カンパ:被災した生活クラブグループおよび提携生産者のために/広く被災地のために

・第2次カンパ:長期にわたる復興を持続的に支援する活動のための費用/放射能の本格的検査体制の確立のための費用

1202tsunagaru1.gif 

 

●東日本大震災復興被災者支援ネットワークちば

「東日本大震災被災者支援ネットワークちば」は、被災者支援のために「生活クラブ虹の街」「生活クラブ風の村」「市川ガンバの会」「JFSA」の4団体によって設立され、カンパをはじめ、物資の提供やボランティアの派遣も行っています。

1202tsunagaru2.gif 

 

●あいこっこ基金

東日本大震災では“私たちの食料基地”旭市も津波による大きな被害を受けました。

虹の街では旭市の復興支援のため「あいこっこ基金」を設立し、今年度の鶏卵利用高の1%をカンパする計画を立て、復興を早めるため昨年6月にまず150万円を贈呈しました。またさらに支援を強めるため2012年3月、別途現金によるカンパの呼びかけも行いました。

1202tsunagaru3.gif 

 

●職員や組合員によるボランティア

職員や組合員が直接被災地を訪れさまざまな活動に参加しています。

虹の街からは2012年1月までで9回、のべ20名余りが岩手・宮城・福島を訪れ、支援物資の配送、高橋徳治商店の工場の片付け、わかめの袋詰め、イベント支援などを行いました。

 

脱原発への取り組み

 生活クラブは風車から脱原発をすすめます

・「脱原発」をすすめる一歩としての取り組み、いよいよ4月から電力の供給が始まります。

2011年3月11日に起きた、東京電力福島第一原子力発電所の事故…その責任が電力会社にあることは明らかですが、同時に原発を含めたエネルギーに頼る暮らしをそのままにしてきた私たち自身の暮らしも見直す必要があるのではないでしょうか?

生活クラブ虹の街は「脱原発」に向け「生活クラブ風車」の建設に取り組んでいます。

風車は、虹の街(千葉)のほか生活クラブ東京・神奈川・埼玉の4単協がNPO法人北海道グリーンファンドと共同出資したもの。試算によれば、この風車の発電量で4単協が使用する電力の1/3をまかなえる規模です。

・建設費用の一部は組合員のカンパで!

建設費用の約5億2,500万円は、国の補助金と4単協からの出資・融資のほか、組合員のみなさんのカンパでまかなわれます。カンパ目標は4単協で1,000万円、虹の街200万円でした。虹の街では、昨年秋からカンパに取り組んだところ1,643人から233万5,000円のカンパがあり、目標を達成できました。4単協全体では1,531万9,500円になりました。

 

さよなら原発5万人集会

2011年9月19日、東京・明治公園で開かれた集会に生活クラブも参加、集会後には都内をパレードし、脱原発を訴えました。

 

脱原発署名運動

・ 「脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会を求める全国署名」運動を行いました。
おおぜいの組合員が周りの人に声をかけ、2012年2/17〆切時点の速報で32.824筆の署名が集まりました。最終の結果は別途お知らせします。

・ 2012年2月11日、新宿駅西口で脱原発署名の呼びかけを行いました。この後のパレードにも参加しました。

 

●放射能対策

・第1ステップ:2011年9月~ほぼすべての食品を検査

独自に購入した放射能検査機器を使い、青果・肉・加工品・お菓子などの放射能測定を継続して行っています。(*輸入品や一部の西日本産の消費材などについては除外したり検査頻度を下げて実施。)

 

・第2ステップ:2011年11月~より制度の高い検査へ

全品目検査で出たデータを絞り込み、子どもが食べる頻度が高い食品や、一度にたくさん食べる食品を中心により精密な放射能測定を行っています。2月からは検査器を倍の4台に増やしました。

 

・独自の基準作りをはじめています

これまでのデータなどをもとに、2012年8月をめどに独自基準づくりをめざしています。

 

・政府への働きかけ

生活クラブは原発事故発生以来数度にわたり要請や政策提案などを行っています。

 

●食べてつながる 生産者支援は継続した利用から!

被災した生産者も次々に生産活動を再開しています。消費材の継続的な利用こそが支援につながります。ぜひ食べて復興支援してください!

otoufuage.jpgwakame.jpg

 

・高橋徳治商店 宮城県石巻市

2カ所ある工場の1カ所は全壊、もう1カ所も2階のまで浸水。

残った工場の瓦礫のかき出しや製造設備の洗浄には、生活クラブの組合員や職員も参加しました。

昨年秋、残った工場の中に設置した仮工場で操業再開。

おとうふ揚げから始まって「おこのみさつま揚」「海老しんじょ」「さつま揚丸型」の取り組みも始まりました。

 

・重茂漁協 岩手県宮古市

重茂漁協では保有する冷凍庫のうち2カ所が流出。
塩蔵ワカメ、などを保管していた冷凍庫のみが被災を免れました。
生活クラブではここに保管されていた震災前の製品、半製品を復興支援企画として取り組み、2012年1月からは「重茂産天然わかめ200g」の取り組みも始まっています。

 

・丸壽阿部商店 宮城県南三陸町

丸壽阿部商店は工場設備がほぼ無傷で残ったものの、宮城県産の養殖かきは壊滅状態。
消費材の「生かき」の産地を広島産に変更し、包装を丸壽阿部商店で行うことで取り組みを再開しました。