活動紹介

高徳さんは被災後初の給与支給日-大震災支援報告①

  

 東日本大震災に対して生活クラブでも被災地支援を続けています。

 支援活動の一つとして、被災地を支援する生活クラブ岩手単協の手伝いに、各地から職員が駆けつけています。生活クラブ虹の街からも、現在2名の職員が現地で支援活動を行っています。その現地からの報告です。

 

◆東北道は被災地に向かうトラック、バスが続々

 4/4早朝、岩手単協に向け出発しました。千葉本部にある幌付きの1.5tトラックで岩手県花巻を目指します。東北道は、被災地に向かう自衛隊のトラックや、何台も連なって走るパトカー、あるいは民間企業や、民医連の名前の付いた大型バスなども続々と北を目指します。

 虹の街支援組も、福島原発事故のその後を気にしつつ、バタバタと暴れる荷台の幌をなだめながら、一路北へ。夕刻花巻にある支援拠点に到着です。支援拠点は岩手組合員のお宅をお借りしています。4/4は連合会、東京、神奈川、埼玉からも駆けつけており、学生ボランティア2名も含めて全12名の所帯です。直前には、生活クラブ都市生活生協からも駆けつけていました。

 

 

◆石巻-高橋徳治商店のお手伝いishinomaki01.jpg

 翌4/5は、加工場が大きな被害をこうむった石巻の高橋徳治商店のお手伝いです。

 東北道やisinomaki02.jpg周辺道路では、ときおり路肩が崩れていたり、段差で車がジャンプする以外は、見た目には大きな被害は感じられません。

 石巻市街に入っても同様です。しかし、海岸に近づくと風景は一変します。道路は何とか通れるように瓦礫と泥を道脇に除けてありますが、その先の片付けは進んでいないようです。

 そんな被害の激しい一画にある「高橋徳治商店」の大きな三角屋根の工場に到着しました。工場は外から見るとそんなに被害が伺えませんが、中は厚くたまった泥で一面覆われ、多くの設備もはげしく被害を受けています。工場の壁に残る水跡を見ると、4mほどの高さに達しています。道路からの高さだと、もう少しあるかもしれません。

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 高徳の加工場の向かいの建物は大きく傾き、手前の車両に乗りかかっていて押しつぶしています。

 この日の作業は、数センチから10センチほど堆積した泥のかきだしです。先日は岩手組合員の家族も参加して泥出し作業を行ったそうです。ゴム長靴、カッパ、前掛け、手袋で身を固めて、ヘドロをスコップですくい、一輪車に乗せて道路際に運び出す作業を延々と行いました。まだ電気も水も復旧しておらず、支援拠点からポリタンクに水を持参しての作業です。水を多く含んだヘドロはひたすら重く、改めて津波被害の重さが体と心に沁みてきます。 

 

◆津波後、初の給与支給日

 高橋徳治商店では、今日が震災後初めての給与支給日だそうです。幸い全従業員と連絡が取れているそうで、これはうれしいニュースでした。これまで避難所の村長役を引き受けてきた高橋英雄社長は、会社の再建に向けて動き出しています。当面の目標はとにかく設備類を真水で洗うこと。その為に、工場からひたすら泥を出し続けています。

 

◆明日は重茂に向かいます

 拠点に戻ってからは岩手組合員の差し入れてくれたカレーライスで食事。いろいろと岩手組合員に支えられています。神奈川単協から15時間かけて着いた職員2名も加えてミーティング。岩手単協の熊谷理事長、大木専務を交えて明日の予定を確認します。

 明日は重茂漁協のある宮古市重茂地区、その先の山田町などに車両4台で物資を運びこみます。(続く)