4月23日、食の未来連続講座として牛乳スタート集会を開催しました。講師は連合会顧問の河野栄次さん。150名の参加がありました木更津・袖ヶ浦支部消費委員長の大木陽子さんからの報告をご紹介します。
どうぞ !
生活クラブ顧問の河野栄次さんのお話はとても興味深いもので、あっという間に終わって
しまいました。
まず驚いたのが市販されている低脂肪乳や栄養が付加されている加工乳がどうやって作ら
れているかという事実です。需給のギャップが出来た時に出る余乳から作られた、脱脂粉乳
を水で溶き、同じく余乳から作られたバター(脂肪分)を添加して作られているそうです。つ
まり低脂肪牛乳とは、普通の牛乳から脂肪分を抜いているものではなく、牛乳ではないので
す。
余乳は生乳よりも買い上げ価格が安く設定されてます。牛乳として飲まれる生乳と、いか
にも手が加えられていて健康に良さそうなイメージの市販されている加工乳はそれほど販売
価格に差がないと思います。こういうことから、余乳から作る加工乳が売れれば売れる程
メーカーは儲かるというカラクリがある事も知りました。
それと、殺菌方法についても市販と生活クラブのものとの明らかな違いも知りました(下の
市販の物のほとんどが120度?135度で1秒?3秒間殺菌します。それに対してパスチャラ
イズド牛乳は72度15秒間殺菌なので、市販の物より熱にさらされてる時間が長いなぁと思っ
ていました。しかし実際はというと、全体で熱をかける時間が市販の物は大体8分程かかる
のに対し、パスチャライズド牛乳は約2分しかかかっていないのです。
また、生活クラブはきちんとした情報開示が出来る消費材を扱っています。例えば、牛乳
の1本分の価格(班配送価格)236円の内、原乳原価108.8円・製造費44.73円・びんキャップ7
円・配送費17.47円・生活クラブ経費47円・消費税11円という価格構成になっています。こ
こまで情報が一般消費者の私達に知らせてくれる一般企業があるでしょうか?
組合員は「消費材は安心安全だから」というところからもう一歩踏み込み、生産者の抱え
ている課題を一緒に受け止め、生産者と共に消費材を作っていく"生産する消費者"です。
消費材を積極的に共同購入していく事で、正しい事よりもまずは収益を上げる事が一番の目
標という、現代の企業社会が生み出した歪んだ構図を正していけるかもしれません。実はそ
ういう運動に私達は参加しているのです。
牛乳を飲み続けなければ、今の私達の食生活を維持出来ません。昨年バターがなかなか手
に入らなくなってしまった事は記憶に新しいと思います。
牛乳を出す為に母牛は子牛を産まなければなりません。牛乳は本来、子牛を育てる為の母
乳なのです。産まれた子牛が雌牛なら2年程で(出産を経て)乳を出してくれるようにな
り、雄牛なら肉牛となります。
極端な話、私達が安い物ばかりを選び、牛乳でさえも輸入され日本の酪農が壊滅し、牛が
居なくなってしまったとします。また国産の牛肉を食べたいと思ったら、牛の赤ちゃんが母
牛のお腹で10ヶ月、食用に育てるのに20ヶ月、ここで食べてしまうとまた牛が居なくなって
しまうから、もうワンサイクル30ヶ月が必要になります。つまり私達が食べている牛肉には
最低でも60ヶ月という時間がかっているという事です。
当たり前ですが、食べ物は原料があればすぐ出来る工業製品とは違って、とても時間のか
かる物だという事を強く意識しました。
だから、私達の食生活を守る為にも牛乳を飲み続けなければい
けないと強く思いました!!
木更津袖ヶ浦支部消費委員長 大木陽子
★かわらばんかずさ44号(上総ブロック機関紙5/25発行)、コルザ7月号(6/22?配布)でも特集が組
まれてます。