生活クラブ生協千葉は共同購入のほかに、ベーカリーも運営しています。それがスワンベーカリー柏店です。
スワンベーカリーは、おいしいパンのお店。もちろんパンの味には自信があります。
でも、パンの味だけでなく、他にも一般のパン屋さんと違うところが当店にはあります。それは、大勢の仲間と力を合わせて、障がい者といっしょに働く職場作りをしているということ。
ここでは、スワンベーカリー柏店の設立の経過や仕組みについて、少しお話したいと思います。
スワンベーカリーは、ヤマト運輸が出資する?スワンの直営店として1998年スタートしました。現在は直営店3、チェーン店23以上に広がっています。ヤマト運輸って、あのクロネコヤマトさん。宅急便の会社がなぜ、パン屋さんを? ?スワンのホームページにそのころのお話がわかりやすく掲載されていますので、以下転載します。どうぞご一読ください。
2人の運命的な出会い
「アンデルセン」「リトルマーメイド」を全国展開するタカキベーカリー高木誠一社長と、ヤマト福祉財団 小倉昌男理事長が、タカキベーカリー社の社内誌のために対談しました。共同作業所における障害者の平均月給が1万円以下という実態を、何とか改善しなければならないと考えていた小倉理事長は、障害者が働けるパン屋という事業構想を相談。 高木社長は、タカキベーカリーのノウハウの提供と業務提携を提案します。1996年12月のことでした。障害者を雇用し、月給10万円を目指すスワンプロジェクトが、この時スタートします。
「おいしい」との出会い
タカキベーカリーが独自に開発した冷凍パン生地は、一次発酵を終えたパンを急速冷凍したもので、焼き上げる前に、解凍し二次発酵させます。店での工程を減らし、いつでも焼き立てのおいしさを提供できます。 小倉理事長は、広島にあるタカキベーカリーの研修センターに出向き、冷凍パン生地にふれ、解凍し、竈に入れて、パンを焼き上げ、そのおいしさを実感します。さらに、タカキベーカリーは、スワンベーカリー専用の、オリジナル冷凍生地を開発します。
1998年6月、スワンベーカリー銀座店が1号店としてオープンします。同時に、ベーカリー経営を行う株式会社スワンが、ヤマト運輸全額出資のもとに設立されました。スワンの命名者は小倉理事長です。デンマークの北欧パンに感銘を受け、店名に「アンデルセン」「リトルマーメイド」を使っているタカキベーカリーとの業務提携から生まれたパン屋であることから、童話作家アンデルセンの作品にヒントを得て、命名されました。
なるほど,では「スワンベーカリー柏店」って?
最初のきかっけ
では、スワンベーカリー柏店誕生までの経過をお話します。
生活クラブ生協では、障がい者雇用の課題に取り組むことを方針としてきましたが、ノウハウの蓄積がなく、なかなか安定的に雇用をするまでに至っていませんでした。これからなんとか考えようとしていた時(生活クラブ生協7次中期計画)、奇しくも?スワンの活動を知ることになりました。柏には「街づくりサロン」(柏市で官民協働での地域起しの活動)という活動があるのですが、その中で、地域で障がい者が元気に働ける職場づくりをしたい、それにはスワンベーカリー柏店を運営できたらいいね、というお話が出されたのです。「街づくりサロン」とは生活クラブ生協もネットワークがありましたので、街づくりサロンの中の障がい者支援団体のメンバーを中心に生活クラブ生協も参加し、スワンベーカリー柏店の出店の可能性を探る準備会が結成されることになりました。
スワンを知る
準備会で調べてみますと、?スワンは直営店だけでなく、フランチャイズ店を出していることがわかりました。これは、障がい者雇用をすすめようとする人たちに?スワンが無償でノウハウや製造の仕組みを提供(フランチャイズ料やブランド使用料など一切無償)し出店する仕組みです。このことを知った準備会のメンバーは、フランチャイズ店として、なんとか柏店をオープンさせることができないだろうか、と夢を膨らませていきました。
千葉県の後押し
さて、このスワン柏店の開設を後押しする、もうひとつの出来事がありました。それは千葉県が、障がい者雇用に取り組むにあたってモデル事業を指定したいとの意向があり、モデル事業に名乗りをあげる企業を探していたことです。千葉県でも?スワンの千葉県への出店を要請することが検討され、また、フランチャイズとしてスワンの運営を受け入れる企業を募集することになりました。
事業の骨組みの検討から柏店オープンまで
奇しくもこのような幾つかの流れがあり、生活クラブ生協が?スワンのフランチャイズとして柏店をオープンさせていく方向性が固まっていきました。構想として、まず生活クラブ生協がスワンベーカリー柏店の経営主体として出店し、また生協職員として障がい者を雇用していくこと、障がい者とともに働く店舗の日常運営に関しては、生活クラブグループの福祉の専門家集団である社会福祉法人生活クラブへ業務委託をすること、等の基本的な骨格が検討されていきました。また、スワンベーカリーを支えていこうと考える柏の障がい者支援団体や、生活クラブ生協の組合員にも参加を呼びかけ、地域作りも視野にいれた「柏スワンベーカリーの会」の設立を行うことが準備会で検討されました。このようにして、スワンベーカリー柏店は、生協事業の枠だけでなく、地域の人々が運営に参加する場としても位置付けられることになりました。また県でも生協が運営しているのですが福祉事業として、組合員以外への販売を認める(員外利用と言います)決定をしていだきました。これは全国的に言っても先進的な事例です。
さて、その後は、生活クラブ生協の2004年総代会での承認、店舗候補地の決定、?スワンによる開設計画書の審査、店舗設計と工事、障がい者を含むスタッフの募集と研修などを経て、2004年11月30日に大勢の人々の力でスワンベーカリー柏店のオープンを迎えることができたのです。
スワンベーカリー柏店の運営の仕組み
当店は大勢の地域の人たちの力で開設された経過を踏まえ、運営においてもみんなの力で運営していく仕組みとしています。
生活クラブ生活協同組合
スワンベーカリー柏店の経営主体であり、事業運営を担っています。建設資金を組合員の合意の元に拠出し、また、障がい者の雇用が安定的に確保できるよう、年間の事業の収支に責任を持ちます。また、障がい者は生協の職員として雇用しますので、労務管理等を行っています。現在、店舗の運営、スワン友の会の運営事務局の他、共同購入の分野でもスワンのパンの取り組みを行っております。通常なかなか原材料の細かな内容まで公開されないパンの情報を開示し、生活クラブ生協の基準に基づいて承認されたパンを一部ですが取り組みをしております。カタログでの予約申込による配達と、デポーという生活クラブ生協のお店での販売があります。
スワン友の会
現在会員は550名程度。柏スワンベーカリーの会が運営しています。事務局はスワンベーカリー柏店が担っています。「忙しくて日常運営には参加できないけれど、パンを食べることでなら協力できるよ」という方の集まる会です。会員になっていただくとスワン柏店のパンセットを毎週1回お届けする他(一般の方は市内限定)、会報等をお配りして、当店の活動をお伝えしております。会費は2,800円(税込)/月(4回配達が基本)です。詳細はスワン柏店までご連絡ください。
また、生活クラブ生協では、スワン友の会の支援として友の会セットの配達や集金を代行しています。日中の配達にあわせて班や戸配の配達をしております。各センターへお問い合わせください。また柏市内の生活クラブのお店(デポーといいます。…松葉町デポーと大津が丘デポーの2か所)でもセットパンの受取場所としております。
生活クラブ生協では、スワン開設にあたり、スワンのパンについても全品目点検をしました。現在のスワンのパンと生活クラブ生協のパンの再開発活動についてご紹介します。
スワンベーカリー柏店にパンが並ぶまで
おおまかに以下の流れになっています。
柏店から生地や具材の発注
⇒生地製造メーカーのタカキベーカリーで冷凍生地を作成しお店に納品
⇒前日に生地を解凍
⇒当日早朝から焼成
⇒順次焼きたてパンを店へ品だし
スワンのパンについて
生活クラブでは自主基準があり、基準書の標準規格レベルをクリアするものを原則として取り組んでいます。この視点でスワン柏店開店にあたって、パンを全アイテム点検しました。標準規格をクリアしているパンについては、理事会での承認を経て、共同購入及びデポーでの供給を実施しています。また、共同購入しないパン(店舗販売とスワン友の会セットで販売するパン)についても、生活クラブ生協の責任において全アイテムの企画書を点検し、保管しています。
スワンのパンは、コンビニで販売されているような、あらかじめ焼いたものをパッケージして一定期間店頭にならべて販売するパンではなく、冷凍生地を店舗で焼いてそのまま販売するパンであるため、保存料や品質維持にかかわる添加物の使用をする必要がなく、極力添加物を排除し製造することができていますが、生活クラブ自主基準では「要改善」(早期に対策をたて改善することが必要とされる基準項目)に当たる原料等(主として具材)が配合されているパンがありますので、スワン本社を通じてタカギベーカリーと再開発についても相談をしております。
情報の公開
規格点検をする際、もっとも重要な点が生産者の情報公開の姿勢です。大手食品企業の中には生協へ情報を出すことをよしとせず、提携が規格点検段階ですすまないという例が多々あります。?スワンおよび生地製造のタカギベーカリーは、情報公開においては生活クラブの他の生産者とまったく遜色のない水準です。原材料の仕様書、入手先、配合割合、原価等すべて隠すことなく公開をしていただきました。生活クラブ生協はまず素性の公開があり、それが安全性に繋がっていくと考えています。情報公開があったことで、何を再開発していく必要あるか、メーカーとの議論が深まりました。
パン再開発について
柏店の出店により、スワングループにはじめて生協が参加することになりました。?スワンからも生協の協力のもと、パンを消費者の視点で再点検していきたい、との要請ををいただきました。また生活クラブ生協では、かつて菓子パンの生産者が業務縮小のため生協との提携を中止しましたので、メロンパンやデニッシュパン等の提携先を探しておりました。そのような状況のもと、双方の意思一致があり、2005年5月からスワンのパン再開発のプロジェクトが,生地メーカーと生活クラブ生協の組合員参加で設置され、国産小麦の使用など、オリジナル化へ向けた研究と再開発が進められています。生協の食の分野と福祉の分野。スワンと生活クラブ生協の出会いによって、相互に協力をしていく関係が出来てきました。
少し長い説明になりました。これからもスワン柏店をよろしくお願いします。




