社会福祉法人生活クラブが呼びかけ人となり、生活クラブ千葉グループ連絡協議会会員団体と共に、行政区単位ごとの地域福祉計画(市区町村作成)及び地域福祉活動計画(社会福祉協議会作成)に基づく形で、「生活クラブ版地域福祉活動計画」を策定するためのプロジェクトがスタートしました。
その一環で、各分野で活躍している団体の方をお呼びして、9月から学習会が開かれました。
11月25日はその6回目、さくら風の村にて、中核地域生活支援センター「がじゅまる」の朝比奈ミカさんを講師に、「貧困、低所得者の暮らしと就労支援」について学習会が行われました。
市川・浦安エリアでの「がじゅまる」の相談事例から、「貧困」が個人や社会に何をもたらすのかを中心にお話していただきました。
1、軽犯罪を繰り返す中程度知的しょうがいの男性(40代)とその母親、内縁の夫
しょうがい者手帳は中学生のとき取得したが、何も使われていなかった。情報にアクセスできていない。制度があっても、周囲の支援がないまま過ごしてきた。母親の内縁の夫はトリプルワークをしている。
2、多重債務をかかえた夫婦とそのこどもたち
約30社から借金。夜逃げしてきた。父はタクシー運転手。妄想性人格しょうがい。給料は固定給10万円+売り上げ。母はトリプルワークをしている。こどもは中学女児、小学男児。夫のDVと児童虐待で、母子で避難。
3、母子家庭
生活保護を受けている。抑うつ状態の母親。関係を作ってもことごとく切っていく状態。息子1人。ひきこもり、まゆの中で母子が生活しているような「共依存」の関係。母子の生活をどう開いていくかがカギ。
4、10代で家族を失った女性(高校生)
4人家族。兄が統合失調症で突然死。母がガンで死亡。父は若年性痴呆症で入院後、死亡。財産が残された故に、親戚からの支援が受けられず。制度としての支援順位も下がる。PTSDの診断。
5、派遣労働で働く30代の男性(ワーキングプア)
もともと正社員で働いていた。会社が倒産し、親会社による救済措置で派遣社員に。母が多重債務。自殺未遂を繰り返す母。男性には借金がなかったが、自尊心を壊され、表情がない状態だった。今は介護職につき、金銭管理をすれば貯金が出来る状態に。
など、貧困の現れ方も多種多様になってきています。
「がじゅまる」では、関係を貧困にしない、させない。「孤立」を作らないことを重要視しています。
1、相手の置かれた状況を想像する。(時間・場所)
ダブルワーク・トリプルワーク、多重債務・・・自転車操業な毎日。
時間的余裕がない状態。時間的余裕は経済的余裕。その時間、働かなくても生活できる。
時間的余裕がない状態は、制度へのアクセスする時間もなく、社会生活(町内会やPTAなど)からの排除や、社会関係から排除された状態になる。
2、共感や同調を求めすぎない。
「おせっかい」はよし。相手の人生に代わって生きてはいけない。どんな人にも自分で生き方を決める権利がある。相手に自己決定させる。
3、細く長く付き合う。気後れせずに声をかける。
4、相手の人生を尊重する。やきもきしない。あきらめない。
難しい就労支援も、優先順位を決めることから始め、誰かが一緒に考えることで解決できることはたくさんあり、地域や家族のつながりがあれば、貧困でもなんとか暮らしていけるという言葉がとても印象的でした。
現代の貧困は、「関係性の貧困」が最も問題で、地域でともに暮らしていこうという、周囲が包み込むような社会が必要だと感じました。




